2. 自然素材で注文住宅を建てるデメリット

注文住宅を建てるにあたり、自然素材を使用するとどのようなデメリットがあるのでしょうか。続いて、覚えておきたいデメリットについてお伝えします。

2-1. 初期費用が高い

自然素材は、一般的な建材に比べて売価が高く、精度の高い施工が必要で初期費用が高い傾向にあります。例えば、無垢材は季節の変わり目に敏感で、湿度の影響で膨張・収縮することがあります。そのため、構造に影響がでない程度の隙間をつくる高精度な施工が必要です。さらに、無垢材は一本の木からできる数が限られているため、材料費が高くなります。

2-2. 傷や凹みがつきやすい

自然素材は、経年劣化による傷や凹みが目立ちやすいというデメリットがあります。無垢材や漆喰・珪藻土は気温や湿度の影響で膨張・収縮が激しいため、変形によるひび割れがみられることがあります。はじめは細かな変化が気になると思いますが、味がでることでより愛着を持って楽しめることも自然素材ならではの魅力でしょう。

2-3. 水に弱い

自然素材の中でも比較的水に強いものはありますが、基本的には水に弱いということを念頭においておきましょう。無垢材を水回りに使用する際は、特殊塗装を施したり、日常生活でも気を使う必要があります。自然素材は非常にデリケートなため、お手入れに使用する洗剤は強い酸性や化学薬品が適切でないことも覚えておきましょう。

3. 自然素材で注文住宅を建てるメリット

注文住宅で自然素材を使用して家を建てることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。続いて自然素材を使用した注文住宅のメリットを解説します。

3-1. 化学物質を含まない体に優しい住宅になる

自然素材は、接着剤などを使用しないことから化学物質を含まないため、体に優しいメリットがあります。シックハウス症候群のような健康被害にはホルムアルデヒドという化学物質や、人工由来の有害化学物質が原因とされています。そのため自然素材を使用した住宅では、健康被害が心配される化学物質を含んでおらず、安心して住み続けられる環境を築くことが可能です。

3-2. 耐久性が高い

自然素材は耐久性があるため、適切なお手入れをすることで長く使用することができます。自然素材を使用して家を建てる際のデメリットとして、初期費用が高くなることをご紹介しました。しかし、自然素材には耐久力があり、ランニングコストを考えると結果的に安くなることがあります。

例えば合板だと接着剤が弱って剥がれることがありますが、一枚板であれば剥がれることは無く、傷がついてもやすりがけなどで補修して長く使用できます。

3-3. 自然素材独特の触り心地と温かみがある

自然素材には、それぞれ特有の質感や温かみがある点も魅力のひとつでしょう。無垢材を使用したフローリングは、冬場に冷たさを感じることがなく、夏場でも心地よい温もりをもたらしてくれます。漆喰の滑らかな質感や珪藻土の豊富な施工方法は、内装にバリエーションを与えます。石材は艶感がアクセントになり、畳素材は無垢材のように温かみを感じられる空間をつくることができます。

3-4. 調湿機能がある

無垢材や珪藻土のような自然素材は、空気中の湿度を一定に保つ調湿性能を持っている素材のため、過ごしやすい空間を維持することができます。湿度の高い日には湿気を吸収し、乾燥した日に放出するため湿度が高すぎたり乾燥しすぎることを防いでくれます。調湿性能が優れていると、空調の使用頻度を抑えられることやカビ予防に繋がるため、環境や人に優しい家になりますね。

4. まとめ

自然素材を使用した注文住宅には、デメリットとメリットがあります。人や環境に優しい素材・高精度な加工が必要なことから初期費用は高くなる傾向がありますが、適切なお手入れを心がけると長くすみ続けられ、愛着を持つことができるでしょう。さらに、自然素材ならではの質感を活かし、デザインにこだわりを持ったオリジナリティ溢れる家を目指せるところも魅力ですね。